ここいらの京都の新年は知恩院の除夜の鐘、八坂神社のおけら参りで始まる。コロナ禍の年明け。昨年よりは人は多い。通の京都人は朝5時前に八坂神社本殿に向かう。一晩本殿で燃やされた薬草のおけら木が本殿前に落とされる。
通の京都人はこの燃え残りを火縄に移して家に持ち帰り、若水を汲んだ鍋に火を移し雑煮をいただく。
5時半ころには清水寺の前には100人ほどの若者が並び6時の開門を待っている。東山区は不思議なところ。東に東山の峰々、西に賀茂川。世界遺産の清水寺に始まり、仏教寺院が連なる。西の方から臨済宗大本山東福寺、皇室の菩提寺の御寺泉涌寺、西国札所今熊野観音寺、蓮華王院三十三間堂、総本山智積院、豊臣由来の方広寺、浄土真宗大谷本廟、清閑寺、小野篁由来の六道珍皇寺、八坂康申堂、秀吉由来の高台寺、同じ臨済宗大本山建仁寺、浄土宗総本山知恩院、青蓮院門跡などなど、神社では八坂神社、新日吉神社、粟田神社、安井金毘羅神社、豊国神社、新熊野神社などなど。京都五花街のうち祇園甲部、宮川町、祇園乙部と三花街。ハイアットリージェンシーホテル、フォーシーズンホテル、パークハイアットホテル、ウェスティンホテルなどが並ぶ。しかし老人の町。限界区に急速に接近している。おそらく地価の押上が昔からの住民をとてつもなく住みづらくしているのだろう。
我が家は喪中でもあるので目立ったお祝いはしないが早朝散歩の後、白みそ仕立ての雑煮を今年も同じように頂く。あと200年生きたら2222年。どんな世界があるのだろうと考えながら…。